アジャイル・リジェネレーション・ジャーニー
日本の組織は変わらなければいけない——そう叫ばれて何年もの時が流れた。
経営サイドと同じく、現場もまた変革を望んでいるのに、いまだに道は霧の中にある。
絶えず変化を続けるデジタル時代に対応した組織への脱皮。新しい価値のアジャイルな提案。
トライは繰り返されるが、確かな道は見えてこない。
なにから始めるのか。どう始めるのか。模索の日々は続いている。
現場から、組織は変わる。 プロダクトづくりから学び、育つ組織へ。
日本中の現場から聞こえてくるのは、変わる必要性を感じながら変われない組織への焦燥感。
これまでの延長線上ではなく、新時代に対応した新しい組織の「芯」というべきものを、私たちはなかなか見定めることができないでいます。多くの日本型組織が抱えるこうした課題、その第一の鍵はプロダクトづくり(事業開発)と、それを通じた顧客との対話にある——そう私たちは考えています。
変化が速いデジタル社会の中で、顧客に新たな価値を提供し続けるために必要なのは、組織が敏捷に市場に合わせて変わり続ける力。その能力(ケイパビリティ)を組織的に身につけるには、価値探索(仮説検証)そしてアジャイルを通じたサービス・プロダクトづくりを通じて、市場や顧客と対話を繰り返す経験が重要です。
机上の知識ではなく、プロダクトをつくり顧客と対話して得た学びを。
過去の勝ちパターンではなく、未来を見つめて変わりつづける力を。
「完璧な計画」への追従ではなく、計画をふりかえり、むきなおる勇気を。
形骸化した役割分担でなく、ミッションに応じて集うチームを。
未来への取り組みはひとつのチームから始めることができます。目の前のプロダクトづくりから、小さく始める組織変革を、私たちとともに。
アジャイル・リジェネレーション・ジャーニーは100社以上の組織変革・プロダクト開発支援に取り組んできたレッドジャーニーによる、新たな組織の「芯」を見つけ、変化する時代に対応できるケイパビリティを獲得するための伴走型支援サービスです。
なぜわたしたちは変化に対応できないのか
急激に変わり続けるデジタル社会の中で、なぜ日本型組織の多くは取り残されているように見えるのでしょうか。また厳しい現状を認識していながら、効果的な変革を行えないでいるのでしょうか。
しかし長大な計画を立て、それを実行している間に状況が目まぐるしく変わるのが現代のビジネスです。それなのに、従来型の組織体制ではひとたび計画されたプロジェクトの軌道修正や計画の変更ができず、ついていくことができません。
長年使われてきた社内ルール・分断されサイロ化した組織構造までも変えようとすれば、当然大きなハレーションが起こり、変革は頓挫してしまうのです。誰もが目に見えない成果のために、これまでのやり方を変えようとはしません。
書籍や研修などだけで得た知識に基づく改革は、広範に理解を得ることはとても難しいのです。
変化に対応する力を育むのは
「プロダクトづくり」
机上の知識に基づく改革では、組織を変えることは難しい。ではどうすればいいのでしょうか。
わたしたちレッドジャーニーは仮説検証とアジャイルによるプロダクトづくり、いわば「正しいものを正しくつくる」ことに突破口があると考えています。
なぜならば、それこそが状況に応じて自らを変える学びの連続であり、それは現場のみならず、組織にもそのまま適用できるケイパビリティであるからです。詳しく述べていきましょう。
仮説検証・アジャイル開発で「正しいものを正しくつくる」
不確定要素が多い状況の中で、プロダクトづくりの最初から最後まで、ひとつの仮説で走り切るのは極めてリスキーです。わたしたちレッドジャーニーは仮説検証とアジャイル開発を繰り返しながら漸進的にプロダクトづくりを進める仮説検証型アジャイル開発を多くの組織の中で推進してきました。
市場に投入できる必要最小限のプロダクト(MVP)をつくり、市場と対話し、組織的な学びを繰り返しながら仮説をより確かなものに近づけていく、この過程は変化に対応できる組織に必要不可欠な基礎的ケイパビリティです。
すでに着手しているプロダクトがある組織でも、まだ取り組めていない組織でも、仮説検証型アジャイル開発の実践は可能です。
小さくはじめ、学びを得る
仮説検証型アジャイル開発の軌跡は短いスパンで繰り返す「ふりかえり」「むきなおり」によって追跡することができます。またその機会そのものが組織的な学びの蓄積の機会でもあります。
この段階では、すぐに組織の改革に移るのではなく、限られた範囲から、ものづくりのあり方のカイゼンを繰り返しながら、改革に必要になる仮説検証のケイパビリティを育てることが重要となります。その過程の中で、顧客に提供する価値の仮説はより確かなものに近づいていきます。
ふりかえり……四半期など短いスパンでプロジェクトのありようを振り返ります。ユーザーからのフィードバックなどもこの機会に整理します。
むきなおり……ふりかえりとともに、立てた仮説が正しいかどうかを検証します。場合によっては仮説や向かうべきゴールを変えることもあります。
アジャイルなものづくりを広げ、組織に適用する
プロダクトづくりの改善を一足飛びに組織の改革につなげることは多くの場合難しいでしょう。組織の規模が大きいほど、変化には時間がかかります。変化を広げるためには、ひとつのプロダクトで得た成果と学びを、複数のチーム・プロダクトに広め、生かしていくことが重要です。
アジャイルとは自ら変化をつくり出し、受け入れるあり方です。私たちはアジャイル開発によって変化を起こすすべを学び、それを組織そのものに敷衍させていくことができるのです。
この過程には時間がかかりますが、こうした変革のネットワークが、将来運動を広げるための確固とした足がかりになります。
プロダクトづくりから起こる変革を
組織に広げるには
プロダクトづくりを変革しただけでは、組織全体に影響をもたらすことはできません。プロダクトの目指す未来や価値観がバラバラであれば変革の動きは頓挫していまうでしょう。複数のプロダクトに「仮説検証型アジャイル開発」が浸透してきたならば、組織の価値観と意思決定と有機的に連動できるかが重要になってきます。
そのために必要になるのが機動的な組織「PdMO」であり、これこそが組織変革の「芯」になるものです。
PdMO(プロダクトマネジメントオフィス)
数多くのプロジェクトを組織的な意思のもとにマネジメントするには「プロダクトマネジメント」の体制が重要な役割を果たします。わたしたちレッドジャーニーはそのための機動的な組織「PdMO(プロダクトマネジメントオフィス)」の枠組みづくりを様々な組織で進めてきました。
PdMOとは
PdMOは経営層・プロダクトマネージャー・外部の専門家などから編成される少人数の組織です。PdMOは複数のプロジェクトを横断してプロダクトづくりの課題を扱い、課題やノウハウの共有と蓄積・経営戦略と現場の一致を目ざし、現場と機動的に連携しながら、プロダクトづくりの質を高めます。
PdMOがもたらす「組織の芯」
PdMOは従来の組織の壁をまたぐ機動的な組織です。事前に計画されたプロジェクトを計画通りに効率的に進めるための分業と異なり、組織のミッションのために必要なメンバーを編成し、現場とも積極的につながります。
レッドジャーニーでは、必要に応じて部署の壁をまたぎ、組織のミッション達成のために適材適所でチームを結成するミッション駆動型組織への再生が組織変革のための重要なピースであると認識しています。
ミッション駆動型組織への再生には組織の壁を超えたチームワークが必須ですが、前に述べたように組織構造を変革するのは並大抵のことではありません。小さな実績を繰り返し積み重ねていかなければ、それを成し遂げることはできないのです。
PdMOはまさに組織の壁を越えるチームの中心的なモデルであり、また変化に対応しつづけるミッション駆動型組織の「芯」となる存在と言えるでしょう。
組織のミッションを共通言語化する「ナラティブ・プロトタイピング」
レッドジャーニーでは組織の価値やあるべき姿・そして組織のメンバーが共有すべき「我々はなぜここにいるのか」を言語化するためのナラティブ・プロトタイピングという取り組みを通じて組織支援を行なっています。
組織の理想のあり方や、顧客が感じる価値を一本のストーリーに落とし込み、組織で共有しやすくするためのワークです。
ミッション駆動型組織への再生の一環として、こうしたワークに取り組むことも可能です。
アジャイル・リジェネレーション・
ジャーニーの支援内容(一例)
ここでは具体的に組織変革の道のりがどのように進み、わたしたちレッドジャーニーがどのように伴走支援を行うのかをご説明します。ただし、取るべき施策は組織の状況に応じて様々です。こちらは一例としてご覧ください。
まずプロダクトづくりに必要な仮説検証型アジャイル開発についてのワークショップを開催し、双方向的なやり取りを通じて基礎的なマインドセットをつくります。
- レッドジャーニーには「7週間修練プログラム」等、実践的かつ集中的なプログラムの実績が数多くあります。
ワークショップと並行して、組織のミッション(我々はなぜここにいるのか)を見直し、共有可能な状態にします。
- 様々なワークショップのほか、組織のミッションと価値を一本の物語としてまとめ、共有しやすくする「ナラティブ・プロトタイピング」による支援も可能です。
- 最初のプロジェクト選定およびチームビルディングについて、レッドジャーニーが支援。
- 実際に小さなプロジェクトをアジャイルを通じて開発、短い周期で取り組みの過程と結果を記録し、ふりかえりを実施することで着実に仮説検証・価値探索のケイパビリティを獲得します。
- 最初のプロダクト開発を乗り越えれば、取り組みを複数のプロジェクトに徐々に拡大します。
- 価値探索・アジャイル開発が複数のプロジェクトが同時に進行するようになればPdMOの設立を準備します。
- 経営層と複数のプロダクトマネージャー(またはプロダクトマネージャー候補)、そして様々な専門家をメンバーとする「PdMO(プロダクトマネジメントオフィス)」を設立、機動的に部門やプロダクトを跨いだ知見の共有、現場チームとの情報共有をはかります。
- PdMOの設立および運営についてはレッドジャーニーが支援します。
「芯」ある組織への再生を、わたしたちと。
PdMOが組織の「芯」として、経営と中間管理・現場の間を機動的に動きながら組織の戦略と現場をつなげ、その下でチームが自律的に仮説検証を行いながら組織の価値を探究し、プロダクトを作り上げ、その学びを蓄積していく。これが目指すべき、デジタル時代に対応し、価値を生み出し続ける組織のあり方であると、わたしたちは信じています。
もちろん一朝一夕に実現できることではありませんが、わたしたちレッドジャーニーは「仮説検証型アジャイル開発」そして「PdMO」の導入を通じて、数多くの組織やチームの変革に伴走しながらリードしてきました。
小さくはじめる大きな改革。
わたしたちとともに、この大きな再生のジャーニーの一歩を踏み出しましょう。